「浅茅が宿(序章其の五)」

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上田秋成の癖として…例えば、磯良神とは神話上、醜い神
の代名詞であるのだが「吉備津の釜」において、貞淑な美し
い”磯良”という女性を作り上げた。

今回の「浅茅が宿」の”宮木”は貞淑な妻を演じているが、
「春雨物語(宮木が塚)」での”宮木”は遊女となっている。
まあだからといって「宮木が塚」の”宮木”は遊女でありな
がら、ふしだらな遊女とは言えず、心は美しい存在として
描かれている…。

また「浅茅が宿」に登場する伝説の手児奈は、誰とも結び
付く事の無く入水した「聖処女」として扱われているが、先に
記したように「手児奈」とは遊女としての名称でもあった。

ところが「手児奈」とは別に、似たような存在として「菟原処女」
という、やはり少女がいる…。

摂津国菟原郡に住んでいたという伝説上の人物で、二人の
男性から求婚され、悩んだ果てに自殺したという女性で「万
葉集」などで詠われる”聖処女”で、これはやはり先に紹介
した”櫻児”と似たような話の伝説の少女となる。
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by stavgozint | 2009-06-15 19:18 | 「浅茅が宿」
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