「春雨物語(宮木が塚)」検証 其の五

ところで宮木は、周囲が見惚れる程の美貌を備え、それが十太兵衛の
自慢でもあったのだが、それが仇となり惣太夫に奪われてしまう。

この「宮木が塚」には、美と醜が入り乱れているのがわかる。

医師理内がいふ。「生田の森の桜色よくとも、わが長の常盤堅盤
には齢負けたりかな…。」



というセリフがあるのだが、これは木花咲耶姫と石長比売の対比だと
思う。

前半部に宮木を囲っていた十太兵衛を評する文があり…。

いまの主を十太兵衛といひて、年いまだ廿四歳とぞ。かたちよく、
立ちふるまひ静かに、文読むことを専らに、詩よく作りて、都の博士
たちにも行き交はり、誉ある人なりけり。



とまあ…年が24歳で学識高く、上品な美男子という事だ。逆に惣太夫は、
若くして死んでしまった十太兵衛に無い長寿であると比較している。


それと面白いのは、その当時の遊女は全般に百太夫を信仰していた
らしい。

更に当時、太夫という言葉自体「蔑視」を現す言葉だったらしい…。
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by stavgozint | 2007-10-02 11:33 | 「宮木が塚」
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