「春雨物語(宮木が塚)」検証 其の七

ところでもう一つ、美と醜の対比のものがある。その当時、遊女は
倶尸羅の再来であると云われたらしい…。

倶尸羅とは、インドの黒ホトドギスで形は醜いが美声であるのだと。
歌女が転じて遊女となった事を踏まえると、実は歌は上手いが形は
醜い筈の遊女である宮木は、誰もが羨ましがる美人であるというのは、
「吉備津の釜」での磯良と同じ遊びのような気がする。

磯良大神は醜い神で有名なのを、敢えて上田秋成は美人として磯良
を登場させた。そしてこの「宮木が塚」でも、醜いが歌が上手い遊女で
ある宮木を、類稀なる美人として登場させている。これは、上田秋成
個人が密かに遊んでいるものだと考えてもいいのだと思うのだが…。
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by stavgozint | 2007-10-02 20:23 | 「宮木が塚」
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