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「吉備津の釜」2

ところで、庄太夫みたいなヤクザ?な男は、江戸時代に多く発生している。
国定忠治などは、群馬などでは養蚕が盛んで女が一生懸命働いてる為の
逆の現象だ。

髪結いの亭主と同じに、女が働けば、女の紐になる男が増えてきた時代
でもあったようだ。それだけ世の中が平和になった証しでもあるのだろ
う。

とにかく、戦国の世みたいに男が中心となり戦をしている最中は、男と
しての価値もあったが、江戸時代となって戦もなくなり、本来の武家と
は違う身分の男達、もしくは武家から商人に身を転じた男達から平和な
世が誕生し、その次の世代から庄太夫みたいな男達が増えてきた。

この「吉備津の釜」の話もある意味、庄太夫が磯良に抱いた感情は、男
の存在価値が失われて、その存在価値を示す磯良に対する嫉妬心なのだ
ろう。

世の平和が男の存在価値を失わせ、女に対する嫉妬心を誕生させ、平和
な世の中を実は乱し、このような怨念劇を生み出してしまった…。
by stavgozint | 2008-01-24 20:29 | 「吉備津の釜」
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