「青頭巾」終焉(其のニ)

夕陽は山並みに沈み 冷え冷えとした渓谷に

暗い闇が忍び降りてくる

見よ!月が蒼い天空に 銀の小船のように
昇っていく

そして私は松の暗い木陰に立って涼しい
夕風を一人身に受けている

小川のせせらぎが夕闇に響き渡り

花は夕映えの微光に色を失う

大地は安らぎと眠りの中に沈んでいき

その時から全ての憧れが夢見はじめる

生きることに疲れた人間は

過ぎ去った幸福と青春とを

眠りのうちに蘇らそうと家路につく

鳥は静かに木の枝に休んでいる

世界は眠りに落ちたのだ!

松の木陰に冷え冷えと風が吹き

私は最後の別れを告げる為に

木の下で友を待ちわびる

友よ、君が来れば

この美しい夕映えを共に愛でよう

君は何処にいるのか?

私は一人ここに佇んで君を待ちわびている

私は琴を手にして柔らかい草花が

波打つ道を彷徨する

おお美よ!

永遠の愛と生命とに酔いしれた世界よ!

友は馬を下りて別れの酒盃を差し出す

そして私は君に尋ねる

「君は何処に行くのか?また何処に?」と。

私は愁いを帯びて口を開く

「友よ、この世に私の幸福は無かった。
 私は一人寂しく山に彷徨い入る」

「疲れ果てた孤独な魂に永遠の救いを求めて
 今こそ故郷へ帰っていくのだ。私は心静か
 にその時を待ちうけている。」

しかし春になれば愛する大地は再びいたる
ところに花が咲き乱れ樹々は緑に覆われて

永遠に世界の遠き果てまでも青々と輝き渡る

永遠に.....永遠に.....

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そしてこれが日本語に訳した詩。元々は中国の王維などの詩を
マーラーが切り貼り?したものですだ。
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by stavgozint | 2008-10-12 12:42 | 「青頭巾」
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