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「白峰」序文その2

宿世の業というもののおそろしくもそひたてまつりて、罪をの
がれさせ給はざりしよと、世のはかなきに思ひつづけて涙わき
出づるがごとし。

終夜供養したてまつらばやと、御墓の前のたひらなる石の上に
座をしめて、経文徐に誦しつつも、かつ歌よみてたてまつる。


松山の浪のけしきはかはらじを

    
      かたなく君はなりまさりけり

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宿世は過去の世の意と共に、前世の因縁の意があるという。では、
その前世の因縁とは?

崇徳上皇は、鳥羽天皇の第一皇子だが父には疎んぜられたという。
しかし実は鳥羽天皇の皇子ではなく、白河天皇の子であるのだと
いう説がある。

白河天皇は、絶大な権力を誇り、女性関係の派手さでも知られて
いる為、崇徳天皇や平清盛が「白河法皇の御落胤」であるという
噂が当時広ろまり信じられた要因にもなっているようだ。

なので「白峰」とは「白河」にかけているのではないだろうか?

絶大な権力を誇った為に広く怨みを買った白河天皇という前世の
因縁を引きずった崇徳上皇の悲劇は、この白河天皇から始まった
と言いたいのではないのだろうか?
by stavgozint | 2008-03-31 10:55 | 「白峰」
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